時が止まった日
日常の中の非日常が広がった
そして、
自分の心はどこかへと飛んで行った
「まさか」のはじまり ~時が止まった日~
2023年2月2日
旦那さんのベッドの脇に布団を持ち込み、
寝ていた。
ふと、目が覚める。
朝4:05
まだ早い。
具合はどうだろうか?
痛みは少しは落ち着いたのだろうか?
急いで起き上がって様子を見る。
いつもと様子が違う
静かすぎる
「まさか・・・・・」
顔を触る
「・・・冷たい」
両の手で頬を覆う
氷のように冷えてしまっている
動かない表情
うつろな目
「まさか、まさか・・・・」
右腕が上に上がっていた
腕を持ち上げる
なんの反応もなく落ちる
首に指を当て、脈があるか見てみる
肌の感触がおかしい
まるで油粘土のような感触
グニュっと指がめり込む感覚
「し、死んじゃったの?!」
理解ができなかった
何が起こったのかもわからなかった
時間は無常に過ぎていく
心は置き去りになり、どこかの異次元へと飛んで行ったように感じた
現実は、残酷なまでに次へと進むように私に告げている
訪問看護師さんに連絡をする
「あぁ・・・・」
看護師さんはすべてを知っていた
もう、もたないことも
この連絡がくるのはそう、遠い日ではないことも
我慢を重ねて苦しみに耐えた証
体が震える
何が起きたのかわからないまま、時計の針はどんどんと進んでいった
看護師さんがやってきた
「温かいタオル3枚、用意してください」
エンゼルケアというものを施すために必要な物
ご遺体をきれいに拭いて、最期を迎えさせるケア
看護師さんは、旦那さんの体を横向きに起こす
「普通、ここまで我慢をしない。相当、痛くて苦しかったはず」
背中には、肋骨に沿って紫斑が出ていた
「これじゃ、どんなにいいマットレスに寝ていても痛かったはず」
ガリガリに痩せ細った体、その痛みの壮絶さを物語っている
たくさんのそのような体を見ている看護師さんは、
その痛みの度合いも図れるのだろう
温かいタオルで、体を拭き上げる
髪の毛もシャンプーで洗う
特に水も使わない
「どうやるんだろう・・?」
非日常の空間に身を置きながらも、ふと関心が向いてしまう

看護師さん、マジ、リスペクト
などと、おかしな感情が起こりだす
訪問医がやってきて、死亡宣告を告げる
「彼」の時間は永遠に止まってしまった
流れている「私」の時間はどうなるのだろう?
どこへと向かっていくのだろう
どうしたらいいのだろう・・・?
不安だけが体を支配していく
空が明るくなりだした
彼を「死の国」に送り出すための準備をしなくては
それだけはわかっている
【実用編】死亡後にやる手続き
現実問題として、人が一人、亡くなると、悲しんでいる時間はすぐには取れません。
手続きが待っており、また、いくつかの手続きには期限が設けられています。
最初の14日が山場で、役所関係の手続きが待っています。
何をしたらいいのかわからないという時、
で詳しく書かれています。
まごころ相続コンシェルジュの記事では、14日以内の手続きを丁寧に紹介しています。
また、それぞれの方によっては取る手続きも変わってきますので、
事前に把握しておくことは非常に大切なことだと思います。
正直、私はわかりきっていたので、事前にある程度の準備と想定はしていました。
いざ、動き出すとつらいですが、それでも、何も準備をせずに手続きを済ませるよりは、
まだ、落ち着いてできたように思います。
住んでいる自治体によっては、遺族支援のサービスが設けられているので、
事前に予約を取れば、役所での手続きをスムーズに行う手伝いをしてくれます。
また、案外知られていないのが、「葬祭費の支給」です。
不親切なところは教えてくれないそうなので、調べておくことをおススメします!
支給を受けるには条件があるのですが、喪主を務めた方が申請をすることができます。
また、申請期間は大体2年。
自治体のHPや窓口で確認をして、申請条件や期間を知っておくとよろしいかと思います。
(※誰もが申請できるわけではありません。)
ツラくて、受け止め切れない事実が降りかかって、冷静に行動ができないのは当たり前のことです。
相談できる方がいたら、まず連絡して、助けてもらいましょう。
難しい場合は、1日1つでいいのです。
悲しみと向き合いながら、必要最低限の手続きを済ませてください。
そのあとのことは、後でもいいのです。
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